カラス対策の結論|まず「エサ場」をなくし、物理的に遮断して組み合わせる
カラス対策でいちばん大切なのは、「エサ場をなくす→物理的に近づけない→驚かせて警戒させる」の順に、複数の方法を組み合わせることです。
カラスが家やゴミ置き場に来る最大の理由は、そこに食べ物があると覚えているからです。グッズを買い足す前に、まず食べ物に届かない状態をつくることが近道になります。
この記事では、カラスが寄ってくる理由、苦手なもの、場所別の対策、グッズの選び方、繁殖期の注意点を順に説明します。あわせて、捕獲や巣の撤去に関する法律の考え方、業者や自治体に相談する目安も紹介します。
対策の優先順位は「エサを断つ→近づけない→驚かせる」
第一に取り組むのは、エサを断つことです。生ゴミが外から見えない、すぐ取り出せない、長時間置かれていない状態にします。
第二は、近づけない工夫です。防鳥ネット、テグス、ひさしやカバーなどで、くちばしや足が届かない状況をつくります。
第三が、驚かせて警戒させる方法です。反射物、音、模型、天敵の鳴き声などがこれにあたります。手軽に試せますが、単独では慣れられやすい点に注意が必要です。
順番を逆にして、グッズだけを先に買うと「モグラたたき」のようになりがちです。原因を先に整理すると、費用も手間も無駄になりにくくなります。
一つの方法だけだと慣れられてしまう理由
カラスは記憶力と学習能力が高い鳥です。「光っているだけで何も起きない」「動かない模型は害がない」と分かると、平然と近づいてきます。
実際に、最初は警戒していても数日から数週間で慣れてしまうという話はよく聞かれます。一度うまくいった方法が、しばらくして通用しなくなることもあります。
そのため、遮断する方法を土台にして、置き場所や種類を時々変えながら補助的な対策を重ねていく考え方が向いています。環境省も、カラス対策の基本は「防除」、つまり被害を受けにくい状態にすることだとしています。
カラスが寄ってくる原因と好きなもの
カラスが来る理由は、大きく「食べ物」「エサの隠し場所」「巣作り」の3つに分けられます。自分の周りでどれに当てはまるかを考えると、対策を選びやすくなります。
ここでは、カラスが何を目当てにやってくるのかと、好む食べ物の傾向を見ていきます。
一番の理由は生ゴミなどのエサ
カラスが集まる最大の理由は、そこにエサがあるからです。特に都市部では、家庭から出る生ゴミが格好のエサになっています。
カラスは雑食で、生ゴミのほか野菜や果物、小動物なども食べます。庭の菜園や果樹にも、エサとして目をつけることがあります。
一度「ここは食べ物が手に入る場所」と覚えられると、毎日のように通ってきます。ゴミ収集日の朝に早く来て荒らすなど、人の生活リズムを観察しているような行動も見られます。
松山市の対策マニュアルでは、人間の出す生ゴミは栄養が豊富で、食べることで繁殖力が高まり個体数の増加につながると説明されています。ゴミを漁られないように出すことが、とても重要だとされています。
エサの隠し場所や巣の材料を探しに来ることもある
カラスは食べ物をため込めない体のつくりで、手に入れたエサをあちこちに隠す習性があります。隠し場所は100か所以上あるともいわれ、場所をよく覚えています。
庭の植え込みや物陰が「隠しやすい場所」と認識されると、そこに通ってくることがあります。
また、3〜4月ごろの巣作りの時期には、巣の材料を探して飛来します。針金ハンガー、ビニールひも、袋などが狙われやすいため、洗濯用ハンガーなどは使わないときは室内にしまっておくと安心です。
巣には木の枝だけでなく、ハンガーやビニールひもが複雑に絡み合っていることもあるといわれます。ベランダに出しっぱなしの小物にも気を配りましょう。
甘くて消化のよいもの・高脂肪のものを好む
鳥は空を飛ぶため、消化がよくすぐエネルギーになるものを好む傾向があります。体を軽く保つ必要があり、栄養を体にためておけないことも理由のひとつです。
カラスの味覚は鈍く、高脂肪・高たんぱく・高糖質のものを好むとされています。畑ではトマトやトウモロコシのように甘くて消化の早いものが狙われやすく、葉もの野菜は比較的好まれにくいといわれます。
| 好まれやすいもの | 具体例 |
|---|---|
| 高脂肪・高たんぱくのもの | 揚げ物の残り、肉や魚の残り、脂の多い生ゴミ |
| 甘くて消化のよいもの | 熟した果物、トマト、トウモロコシ、パンや菓子の残り |
| 収穫せずに残したもの | 木に残った果実、畑に放置した野菜くず |
ただし、カラスは基本的に何でも食べるため、「これは大丈夫」と決めつけず、エサになりうるものは外に出しっぱなしにしないことが基本です。
餌やりは絶対にしない
カラスへの餌やりは、絶対に避けてください。人間がエサをくれると覚えたカラスは、人を怖がらなくなり、追い払うのがとても難しくなります。
餌付けされたカラスはその場所に住み着きやすく、鳴き声やフン、ゴミ荒らしの被害が広がる原因にもなります。
近所に餌やりをしている人がいる場合は、地域全体の対策が崩れてしまいます。無理にけんかにならない形で、管理会社や自治会、自治体の窓口などに相談するのもひとつの方法です。
カラスの習性と弱点を知る

カラスは賢く、警戒心も強い鳥です。習性を知っておくと、「効きやすい方向」と「期待しにくい方向」を見分けやすくなります。
ここでは、記憶力、嗅覚や味覚、聴覚、苦手な状況を整理します。
記憶力が高く、仲間にも学習が広がる
カラスは学習が早く、覚えている時間も長いといわれています。人の顔を覚えることもできるとされ、知能は7歳児程度といわれることもあります。
学習した内容を、親から子や仲間へ伝えるとも説明されています。一度「ここは安全」と覚えられると、周囲のカラスにも広がるおそれがあります。
反対に、「ここは嫌な目にあう」と学習させることもできます。たとえば、羽にテグスが触れて驚いた経験をした畑には、近づかなくなると紹介されています。
だからこそ、「慣れさせない」「安心できる場所にさせない」という視点が大切になります。
嗅覚・味覚は鈍く、においや辛味では避けにくい
カラスの嗅覚は鈍いといわれ、生ゴミのにおいに反応して来るわけではありません。「ゴミ袋の中に食べ物がある」と学習して来ていると考えられています。
この点から、においで近づけなくする方法は難しいとされます。強いにおいのものを気にせず食べたという実験結果もあるようです。
鳥の受容体は唐辛子の辛味成分(カプサイシン)に反応しないため、激辛にしても食べてしまうとされます。辛味を使った忌避は期待しにくいと考えたほうがよいでしょう。
また、黄色を嫌がるという話もよく聞かれますが、嫌がる色があるとは確認されていないという説明もあります。黄色いゴミネットが役立つのは、色よりも「くちばしが届かない」という物理的な遮断のためと考えましょう。
▶ 動画で確認:カラスは黄色が苦手は本当?
ウェザーニュースが、カラス博士として知られる専門家の解説で「黄色が苦手」という説を検証した動画です。黄色いごみ袋の効果は色そのものではなく、紫外線をカットする顔料によるものだと説明しており、色に頼らない方針を述べるこの節の裏づけになります。
出典:ウェザーニュース「実は違う?カラスが苦手な色」(YouTube・約3分)
超音波は聞こえない?音の効き方
超音波でカラスを追い払う機器については、カラスの聞こえる範囲は人間より狭く、人に聞こえない音はカラスにも聞こえないとされています。そのため、超音波装置には期待しすぎないほうが安心です。
一方で、カラスは音階の違いには敏感で、人にはわからない音の違いも聞き分けるといわれます。
ですから音を使うなら、超音波ではなく、カラスが実際に警戒する鳴き声などを使うほうが現実的です。松山市の取り組みでは、カラスが鷹に襲われたときの鳴き声を録音して聞かせたところ、追い払いの効果が確認できたとされています。特に電線をねぐらにするカラスへの期待があるようです。
ただし、同じ音を繰り返すと慣れる場合があるため、複数パターンを組み合わせることが勧められています。
狭い場所や羽が触れる場所、天敵の存在が苦手
カラスは羽を広げると1メートル近くになります。そのため、狭い場所や羽が何かに触れる場所を嫌がります。
広げた羽がひっかかるような場所は、着地もしにくく、動きにくいためです。テグスを張る対策は、この習性を利用したものです。
また、鷹やフクロウ、トンビなどの大型の鳥は、カラスの天敵といわれます。置物を使う方法もありますが、動かない模型は見破られやすい点には注意が必要です。
場所別のカラス対策
被害の出る場所によって、向いている対策は変わります。ここでは、ゴミ置き場、ベランダ、庭や畑の順に紹介し、最後にゴミの出し方のチェックリストをまとめます。
どの場所でも共通するのは、すき間をつくらないことと、エサになるものを外に出しっぱなしにしないことです。
ゴミ置き場:ネットの選び方と固定のコツ
ゴミ置き場で最も身近で確実性が高いのは、防鳥ネットでゴミ全体を覆う方法です。くちばしが届かなければ、カラスが学習しても被害は出にくくなります。
選ぶときは、ゴミ袋全体をしっかり覆える大きめのものにします。少しでもゴミがネットから出ていると、引っぱり出されてしまいます。
網目は細かいほうが安心です。目が粗いとくちばしを差し込まれやすくなります。素材は破れにくいものがよく、太めのネットはカラスが絡まりにくいという点でも安心です。
固定の方法も重要です。端にすき間があると、カラスは器用にめくって入ります。ネットの端に重りを置き、四隅だけでなく中央や縁もしっかり押さえましょう。
重りには水を入れたペットボトルや石などが使われます。重りつきのネットを選ぶ方法や、ステーションやフタつきの設備を活用する方法もあります。
ベランダ:テグスや反射物で着地させない
ベランダでは、カラスが手すりに止まってフンをしたり、洗濯物や小物を狙ったりします。まずは「止まらせない」工夫が基本です。
手すりや物干し竿には、テグス(ナイロンの釣り糸)を張る方法があります。ベランダの手すりや物干し竿には、テグス(ナイロンの釣り糸)を張る方法があります。カラスは足に糸が触れるのを嫌がるため、着地をあきらめやすくなります。透明なので、景観をあまり損なわないのも利点です。
ただし、広い範囲に張るのは大変で、強風で切れることもあります。定期的に点検しましょう。
ベランダ全体をネットで覆う場合は、網目が細かいもの(3cm以下が目安)を選び、端にすき間を残さないようにします。
反射物や威嚇グッズは補助として使い、置き場所を時々変えると慣れにくくなります。巣の材料になるハンガーやひもは、片づけておきましょう。
庭・畑:防鳥ネットとテグスの張り方
庭や畑では、作物全体を防鳥ネットで覆う方法は非常に効果が高いです。ただし、広さに応じたネットの準備と、すき間なく張る手間がかかります。
全体を覆うのが難しい場合は、テグスを使った方法が選ばれます。カラスが羽を広げると幅が1mほどになるため、1m間隔で張って羽ばたきにくくする方法です。
カラスから見えにくい透明や黒の細いテグスを使うと、羽にぶつかって驚き、それを学習して近づかなくなることが期待できます。畑全体を覆う必要がなく、比較的手軽なのも利点です。
背の低い野菜ならテグスに追い払いの工夫を組み合わせ、背の高い果樹なら鳥追いカイトや音声機器を組み合わせるといった方法が紹介されています。
さらに、収穫せずに残った果実や、畑の生ゴミを放置しないことも大切です。生ゴミは土に埋めるなどして、エサを残さないようにします。地域で一斉に取り組むと、カラスが越冬しにくくなるともいわれます。
ゴミの出し方を見直すチェックリスト
ゴミの出し方は、費用をかけずにすぐ見直せる対策です。次の項目を確認してみてください。
- ゴミは前日の夜に出さず、収集日の朝に出している
- 決まった時間・場所に出し、長時間置きっぱなしにしていない
- 生ゴミは水気をよく切り、新聞紙などで包んでいる
- 袋の口を固く結び、中身が外から見えないようにしている
- ネットで全体を覆い、端に重りを置いている
- 食品ロスを減らし、ゴミとして出す生ゴミ自体を少なくしている
- ゴミ箱はフタつきや密閉できるものを使っている
- 近所にも同じルールを呼びかけている
カラスは目がよく、袋の中の食べ物を見分けるといわれます。中身が見えにくくする工夫は、意外に大切です。
カラスよけグッズの種類と選び方

カラスよけグッズには、光・威嚇・忌避剤・音・模型などの種類があります。手軽に試せるものが多い反面、効き方や持続の長さに差があります。
選ぶときは、「どれが一番強いか」ではなく、「自分の場所で何を補助にするか」を考えるのがコツです。
光・威嚇・忌避剤・音・模型それぞれの効果と持続の目安
主なグッズの特徴を、表にまとめました。持続の目安はあくまで一般的な話で、環境によって変わります。
| 種類 | 主な例 | 特徴と注意点 |
|---|---|---|
| 物理的に遮断 | 防鳥ネット、テグス | 確実性が高い。設置の手間と、端のすき間・強風での切れに注意 |
| 光で驚かせる | 反射テープ、CD、風車 | 低コストで手軽。数日から数週間で慣れられやすい。曇りや夜間は期待しにくい |
| 威嚇する | ビニール製のカラス、猫や鷹の模型 | 動かないと見破られやすい。位置を変えて使う |
| 忌避剤 | スプレー、ジェル、固形タイプ | 単体では限定的。雨や時間経過で弱まるため補助向き |
| 音で追い払う | 天敵や警戒の鳴き声、音声機器 | 複数パターンを使うと長持ち。近隣への音量配慮が必要 |
| 超音波 | 超音波装置 | カラスには聞こえないとされ、期待しすぎない |
反射物は費用がほとんどかからず、試しやすい対策です。ただし「光るだけで実害がない」と学習されると、効果が薄れていきます。
忌避剤は、スプレーなら数時間から数日で弱まり、ジェルは雨で流れることがあります。固形タイプは雨風に強いものもあるため、屋根のある場所に置くと長持ちするといわれます。使える場所に制限がある製品もあるので、説明書きを確認しましょう。
慣れさせないための置き換えと組み合わせ方
慣れを防ぐには、同じものを同じ場所に置きっぱなしにしないことです。位置を変える、種類を入れ替える、といった工夫が勧められています。
たとえば、カイトは風で動くことが前提のため、無風だと期待しにくいです。場所を時々変え、ポールや糸の強度もこまめに確認します。
音声機器も、同じ音を決まった時間に鳴らすだけでは慣れられやすくなります。数種類の音をランダムに鳴らし、場所や時間帯も変えると長持ちしやすいといわれます。
組み合わせの考え方は次のとおりです。
- ゴミの管理でエサ場をなくす
- ネットやテグスで物理的に遮断する
- 反射物や模型、音などで警戒させる
- 数日〜数週間ごとに位置や種類を見直す
追い払いの音・光・天敵を使うときの注意点
音を使うときは、近隣への配慮が欠かせません。音量が大きいと、カラスよりも人間の生活に迷惑をかけてしまうことがあります。
天敵を使った追い払いとして、松山市では鷹を使った試験が行われました。追い払いの回数を重ねるごとに、カラスの数が減り、ゴミの散乱も少なくなるなど一定の効果が見られたと報告されています。
一方で、鷹に対する警戒が弱まったカラスもいました。巡回のない日にはゴミ漁りが見られたことから、根本的にはゴミの出し方や回収方法の改善が効果的だと整理されています。
自治体によっては、追い払い用のグッズや音源の貸し出しを行っている例もあります。購入する前に、お住まいの自治体の窓口で確認してみるのもよいでしょう。
繁殖期(3〜7月)の攻撃と襲われたときの対処
カラスの繁殖期は3〜7月ごろで、特に4〜6月ごろは子育てのシーズンです。この時期は巣やヒナを守るため、警戒心が強くなります。
ふだんはおとなしいカラスでも、人に向かってくることがあります。事前の知識があれば、落ち着いて対応しやすくなります。
子育て中のカラスが攻撃的になる理由
攻撃の多くは、巣やヒナを守る防衛行動と考えられています。縄張り意識も強まり、近くを通る人や他の動物を敵と判断することがあります。
巣の近くを通ったり、警戒しているカラスと目が合ったりすると、頭上に飛んできて威嚇することがあります。背後から近づいてくる場合もあります。
カラスが短く繰り返し鳴いているときは、周囲を警戒している合図といわれます。威嚇するような鳴き方をしているときは、背後から来るおそれがあるため、刺激せずにその場を離れるのがよいとされます。
▶ 動画で確認:繁殖期に人を襲うカラスの実態
CBCテレビの公式チャンネルが、名古屋の鶴舞公園で春にカラスが増える理由を取材した報道です。宇都宮大学の名誉教授が、子育て中のカラスが神経質になり人を威嚇する仕組みを解説しており、攻撃的になる理由を述べるこの節に合います。
出典:CBCニュース【CBCテレビ公式】「花見シーズンに餌を求めてカラスが増加 花見客「めっちゃ怖かった」 特定の人を記憶し執拗に襲いかかる性質…被害にあった人も 名古屋」(YouTube・約5分)
襲われやすい状況と事前の防ぎ方
襲われやすいのは、近くに巣のある木や公園、電柱、建物などがある場所です。巣は高い木のてっぺんや電柱、ビルの屋上設備など、人が近づきにくい場所に作られることが多いといわれます。
繁殖期は、巣のある場所に近づきすぎないことが基本です。いつも通る道で毎年カラスを見かける場合は、時期だけでも別の道を使うと安心です。
どうしても通る場合は、帽子やフードなどで頭や首を守る方法があります。繁殖期にむやみにカラスに近づいたり、追い払おうとしたりするのは避けましょう。一度その場を離れても、カラスはよく観察しています。
敷地内や身近な木が巣作りに使われそうな場合は、こまめな剪定で「巣を作りにくい環境」にしておくことも、有効な方法として紹介されています。
襲われたときの動き方と相談先
襲われたときは、大声を出したり、急に動いたり、振り払ったりしないことが大切です。攻撃をエスカレートさせないよう、落ち着いてその場を離れます。
手で頭部をかばいながら、速やかに巣から離れましょう。ケガをした場合は、医療機関に相談してください。
何度も同じ場所で襲われる場合や、巣が通学路・公共の場にある場合は、個人で解決しようとしないことが重要です。巣が近くにある場合は、自治体の窓口に相談する方法があります。電線にある場合は電気会社、集合住宅なら管理会社や大家さんが窓口になる場合があります。
駆除・捕獲・巣の撤去と法律の注意点

カラスにも、鳥獣保護管理法が関わります。被害に困っていても、自己判断で捕まえたり、巣を壊したりするのは避けましょう。
ここでは、基本的な考え方を紹介します。個別のケースは、必ず自治体の窓口で確認してください。
鳥獣保護管理法で原則禁止されていること
カラスは野生の鳥であり、鳥獣保護管理法により、許可なく捕獲したり傷つけたり殺したりすることは原則として禁止されています。卵やヒナの捕獲、子育て中の巣の撤去も、原則禁止とされています。
違反した場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される可能性があるとされています。「庭にいたから捕まえた」だけでも問題になる場合があるといわれるため、注意が必要です。
毒餌を与えることも禁止されています。銃器や自作の罠なども、法律違反や事故につながるおそれがあり、絶対に行わないでください。
捕獲が認められる場合でも、狩猟免許などの資格や、行政の許可が必要です。捕獲用の大型のおりを個人で設置することは、避けましょう。
巣の撤去はヒナ・卵の有無で扱いが変わる
巣の扱いは、ヒナや卵がいるかどうかで変わります。卵やヒナがいない空の巣であれば、許可なく撤去できるとされています。
一方で、子育て中の巣は、原則として撤去できません。「ヒナや卵はいないはず」と思っても、実際には中にいる場合があります。自己判断で触らず、まず自治体に確認しましょう。
また、カラスの巣は高所にあることが多く、はしごや高所作業車が必要になることもあります。落下事故の危険があるため、無理は禁物です。
巣の中にダニやノミなどが潜んでいる可能性もあります。素手で触ったり、自分で片づけたりするのは避け、必要なら専門業者への依頼を検討しましょう。
自治体への相談と許可申請の流れ
捕獲や巣の撤去が必要と考えたら、まず市区町村の担当窓口(環境や鳥獣担当など)に相談しましょう。
被害の状況、場所、期間、すでに行った対策などを説明できるようにしておくとスムーズです。写真があると伝わりやすくなります。
捕獲駆除を行う場合は、都道府県知事の許可申請が必要とされています。手続きには書類が必要で、申請から許可が出るまで数週間かかることもあるといわれます。
許可が認められるのは、対策を重ねても被害が深刻で、やむを得ない場合などです。そのため、まずはゴミ管理や遮断などの防除を行い、その経過も説明できるようにしておくとよいでしょう。
業者に頼む目安と選び方
自分でできる対策を重ねても被害が続く場合や、危険が大きい場合には、専門業者に頼る選択肢もあります。
ここでは、頼む目安と、業者を選ぶときに確認したい点を整理します。
自力で難しいケースの判断基準
次のような場合は、業者や自治体への相談を考えるとよいでしょう。
- 巣が高い木や屋上設備などにあり、作業に危険がある
- ゴミ管理や遮断を続けても、カラスが何度も戻ってくる
- 広い範囲にネットを張る必要があり、設置が難しい
- 繁殖期の攻撃が続き、通行に支障が出ている
- 管理者が複数いて、個人では判断できない場所(共用部、学校、店舗など)
特に高所作業は、落下事故の危険があります。無理をせず任せたほうが安全です。
費用は、場所の高さや広さ、作業内容によって大きく変わります。数字だけで判断せず、見積もりで内訳を確認することをおすすめします。
業者選びで確認したいポイント
業者を選ぶときは、次の点を確認しましょう。
- 資格・許可:捕獲を伴う場合は狩猟免許などが必要になるため、作業内容に必要な資格を持っているか確認する
- 実績:カラスの対策や巣の撤去、防鳥ネット設置の実績が豊富か
- 口コミや評判:公式サイトだけでなく、第三者の口コミも見る
- 料金の明確さ:高すぎても安すぎても注意し、複数社の見積もりを比べる
- アフターフォロー:再発したときの対応があるか
また、法律に沿った方法で作業してくれるかも重要です。「許可がなくても全部おまかせで捕獲できます」といった説明には、慎重になりましょう。
業者の説明は、巣の状態(ヒナや卵の有無)の確認や、自治体への相談の必要性にも触れているかが目安になります。
やってはいけないNG行動
よかれと思ってした行動が、逆効果になったり、法律に触れたりすることがあります。代表的なNG行動を知っておきましょう。
逆効果になりやすい対応と失敗例
次のような行動は、避けてください。
- 餌やりをする:人を怖がらなくなり、住み着く原因になる
- 前日の夜にゴミを出す:夜のうちに目をつけられ、朝に荒らされやすい
- ネットの端にすき間を残す:めくられて中に入られる
- 同じグッズを置きっぱなしにする:慣れられて、意味がなくなる
- においや辛味、超音波だけに頼る:カラスには届きにくいとされる
- 繁殖期に巣へ近づく、追い払おうとする:攻撃を招くおそれがある
- 許可なく捕獲・巣の撤去をする:法律違反になる可能性がある
- パチンコやエアガンなど、危険な道具を使う:人やペット、近隣への事故につながる
- 毒餌や自作の罠を使う:禁止されており、事故の危険が高い
よくある失敗例として、グッズを設置したのにゴミがむき出しのままで、カラスが通い続けた、というケースがあります。まず、エサ場をなくすことが土台です。
また、うまくいかないときに焦って複数のグッズを一度に増やしても、整理されていないと原因が分からなくなります。ひとつずつ確認しながら調整しましょう。
音や光を使うときは、近隣への迷惑にならないか確認することも大切です。
まとめ
カラス対策の基本は、エサ場をなくし、物理的に遮断し、補助として驚かせる方法を組み合わせることです。カラスが来る一番の理由はエサなので、ゴミの出し方の見直しから始めましょう。
においや辛味、超音波、色に頼る対策は期待しにくいとされています。カラスは記憶力が高く、同じ刺激にはすぐ慣れるため、ネットやテグスなど「届かない・止まれない」仕組みを土台にしてください。
繁殖期(3〜7月)は攻撃的になりやすい時期です。巣に近づかない、刺激しない、襲われたら落ち着いて離れる、という行動が基本になります。
捕獲や巣の撤去は、鳥獣保護管理法との関係があるため、自己判断では行わず、まず自治体に相談しましょう。高所作業や、自力で難しい場合は、資格や実績を確認したうえで業者を検討するのが安心です。
今日からできることは、ゴミを収集日の朝に出す、ネットのすき間をなくす、ハンガーなどの小物を片づける、といった小さな見直しです。無理のない範囲で、少しずつ取り入れてみてください。

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