柏餅の葉っぱは食べる?何の葉か・包む理由を農水省資料で確認

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柏餅の葉っぱを食べるかどうかについて、農林水産省の「にっぽん伝統食図鑑」の島根県のかしわもち(サルトリイバラの葉で包んだ餅)の項目には、「サルトリイバラの葉をむいてそのまま食べる」と書かれています。ここでは、農林水産省や自治体の公式資料で確認できた範囲で、柏餅の葉の種類、葉で包む理由、地域による違いを整理します(2026年10月23日確認)。なお、柏(カシワ)の葉を食べるかどうかを直接述べた公的資料や、葉そのものを食べてよいかどうかを述べた公的資料は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。

柏餅の葉は食べる?公式資料に書かれていること

農林水産省「にっぽん伝統食図鑑」の島根県のかしわもちは、サルトリイバラの葉で包んだ餅です。食べ方として「既に蒸して食べやすくなっているので、サルトリイバラの葉をむいてそのまま食べる」と書かれています。固くなった場合は蒸し直すと柔らかくなる、とも書かれています。

農林水産省「うちの郷土料理」の山口県の柏餅(こちらもサルトリイバラの葉の例)には、葉に片栗粉をはたくか油を塗ると、食べるときに葉をはがしやすくなると書かれています。いずれの資料もサルトリイバラの餅についての記述で、柏の葉を食べるかどうかは書かれていません。

柏餅の葉は何の葉?

柏餅という名前ですが、使われる葉は地域によって異なります。農林水産省の資料に載っている例は次のとおりです。

地域(資料) 葉の種類と呼び名 資料の記載
島根県 サルトリイバラ。「かたらもち」「まき」「かたりまんじ」など 本来のかしわの葉は県内に自生しないため、サルトリイバラで代用してきた
山口県 サルトリイバラの葉。「ほてんどもち」「いぎの葉もち」などの別名 端午の節句の祝い餅で、江戸時代から葉を使うようになったとされる
兵庫県 サルトリイバラの葉。淡路では「いびつもち」 県内では柏の葉があまり自生していなかったため、サルトリイバラの葉で代用された
三重県 サルトリイバラの葉。「いばら餅」 西日本では柏の葉が手に入りにくかったため、柏餅の葉の代わりに使われたともいわれる
福井県 かしわの葉 植物の種名の記載はなし

島根県の資料によると、サルトリイバラは「猿取り茨」と書き、トゲに引っかかるとサルでも身動きが取れないことが名前の由来とされています。

なぜ葉で包むの?資料にある理由

  • 福井県の資料:柏の葉には抗菌、防腐作用があり保存に向いていること、枯れても木から落ちにくいため木の神様に守られていると考えられていたことから、子孫繁栄を願う縁起のよい食べ物になったと説明されています。
  • 埼玉県の資料:柏の葉は秋に落葉することがなく、そのまま冬を越し、春に新芽が出てから落葉します。このことから、子孫を絶やさない縁起ものとして珍重され、端午の節句に作られてきたとされています。
  • 世田谷区の資料:柏は新芽が出るまで親の葉が枯れ落ちないことから、子孫繁栄の願いがこめられていると説明されています。
  • 山口県の資料:サルトリイバラの葉は初夏の新芽が出るまで落葉しないことから、「家系が絶えない」という縁起を担いだとされています。

地域によって呼び名も行事も違う

農林水産省の資料では、同じように葉で包んだ餅でも、地域ごとに呼び名が異なります。三重県では「いばら餅」のほか、東紀州地域の「おさすり」、伊賀地域の「いばらだんご」など。兵庫県では、淡路の「いびつもち」、神戸・丹波の「柏餅」、北播磨の「ひょっとで」、西播磨の「ばたこ」が紹介されています。

食べられる時期も端午の節句だけではありません。島根県の資料では、田植えの時期と重なる地域では6月5日に行うことがあり、6〜7月ごろの「泥落とし」と呼ばれる田植えの労をねぎらう行事でも作られたと書かれています。三重県の資料では、農作業の終わりを祝う「野上り」の行事で食べられるとされています。

参考にした資料

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