門松の作り方!竹の切り方や縄の結び方は?男結び?切り口の意味は?
門松とは正月に歳神様をお迎えする際、「我が家はここですよ」という目印や目標物になるものです。
室町時代頃には現代のように玄関に飾るスタイルが確立されていたと言われています。
門松の作り方の全体の流れを簡単に説明すると、長さの違う竹を3本立てて結び、周りに松を添えます。竹を立てる容器の周りは藁で包み、縄で3箇所締めます。
今回は、門松を作る際ポイントとなる「竹の切り方」と「縄の結び方」を意味も含めて詳しく紹介します。
- 門松の竹の切り方
- 門松の切り口の意味は?
門松の作り方:竹の切り方
門松の竹の切り方に関して紹介します。についてお話します。
竹の長さは立てる容器の高さとのバランスを考えなければなりませんが、家庭に飾るものであれば竹の長さは120cm~150cmくらいが良い長さになります。
3本1セットなので、2セット分の6本準備します。
そして竹の切り方が、竹の切り口も作り手の好みで分かれます。
↓節を切り口の中に入れない
↓節を切り口の下の方に入れる
切り口の下の方に節を入れて笑っている顔のように見せる手法です。
門松は縁起物ですし「笑う門には福来る」という言葉も正月の雰囲気にピッタリですね。
↓節を切り口のもっと下の方に入れる
節を切り口の底辺ギリギリに入れて、おちょぼ口のような顔にする見せ方です。
比較的細い竹を使うとスッキリとした印象になります。
竹を切る際は写真のように思い切って角度を付けたほうがキレイな切り口に見えます。
(写真は節を切り口の中に入れています)
切り口を作る際の最大のポイントは下から上に向かって刃を入れることです。
上から下に向かって刃を入れてしまうと、「カエリ」というギザギザしたものが出てしまいキレイな断面が出来ません。
必ず下から上に向かって切るようにしましょう。そして必要であればヤスリをかけましょう。
切り口が出来上がったら長い竹・中くらいの竹・短い竹の3種類の長さにします。
せっかくおめでたいものなので竹の長さを『7:5:3』の比率にすると、完成したときのバランスも良いと思います。
門松の切り口の意味は?
次に、門松の竹の切り口の意味を紹介します。
門松の竹を思い浮かべたとき、斜めにそぎ落とされた切り口を想像する人が多いかと思います。
このそぎ落とされた切り口を「そぎ」と言い、他に「寸胴(ずんどう)」という真横に切った切り口も存在します。
近年多く見られる「そぎ」の切り口は、徳川家康が始めたという説があります。
1573年に起こった「三方ヶ原の戦い」で大敗した徳川家康は、対戦相手だった武田信玄を竹に見立て斜めに切り落としました。
こうして「そぎ」の切り口が誕生したと言われています。
「三方ヶ原の戦い」は徳川家康にとって生涯唯一の敗戦とも言われているので、戦いに負けた時は「次こそ武田信玄の首を取ってやる」と、とても悔しい気持ちの表れだったのでしょう。
門松の作り方:縄の結び方(男結びとは?)
最後に縄の結び方について紹介します。
竹を立てる容器の周りに「こも」と言われる藁を布状にしたものを巻いて、縄で3箇所結びます。
その3箇所は一番下が7周巻き、真ん中が5周巻き、一番上が3周巻きとなっています。
門松は一番長い竹と7周巻いた縄を男性に例え、一番短い竹と3周巻いた縄を女性に例えています。
そして中くらいの長さの竹と5周巻いた縄が男女の仲を取り持つものとされていて、全てが2で割り切れないという縁起の良い比率になっています。
縄の結び方は「男結び」と呼ばれるもので、一般的に使う結び方よりもしっかりしています。
「男結び」はなかなか解けないので、おめでたい門松作りには最適な結び方です。
結び方に関しては、こちらの動画を参考にして下さい。
12月31日に門松を飾ることは「一夜飾り」と言って、神様に対して失礼だということで避ける傾向にあります。
また12月29日に飾るのは「九松」=「苦待つ」という語呂合わせの悪さから避けられています。
門松が完成したら12月28日までに、もしくは12月30日に飾るようにしましょう。
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