ひまわりを庭に植えてはいけない?言い伝えの記録と育て方を出典で整理

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「ひまわりを庭に植えてはいけない」という言い伝えは、国立国会図書館のレファレンス協同データベースに、複数の図書館の調査記録として残っています。ただし、その記録でも忌む理由は「明らかでない」とされています。今回確認した出典には、ひまわりを庭に植えることを禁じる根拠として、植物としての性質を挙げたものは見つかりませんでした。この記事では、言い伝えの記録と、東京都大田区の栽培マニュアルに書かれているひまわりの特性を分けて整理します(2026年10月23日確認)。

言い伝えの記録(レファレンス協同データベース)

さいたま市立中央図書館の回答記録は、鈴木棠三『日本俗信辞典 動・植物編』(角川書店、1982年)のp495~496の記述を次のように紹介しています。

  • ヒマワリを屋敷に植えるなという言い伝えが、秋田・長野・大阪・奈良・福岡にある
  • 植えると悪いことがある(大阪枚方市)、家が栄えぬ(福岡県北九州市)、目を病む(長野)などという
  • 京都府では家の周囲に植えると貧乏になるといい、岡山県や広島県でも家の周りに植えるのを忌む
  • 徳島県三好郡でも、畑にヒグルマ(ヒマワリ)を植えてはならないと伝えている
  • 京都府北桑田郡美山町ではヒマワリのような黄色の花を嫌うといい、奈良県では「日がまわる」といって忌む

同じ記録には「この花を忌む理由は明らかでないが、ヒマワリが火まわりに通ずるためであろうか」とあります。この記録では「であろうか」という推量の形で書かれており、理由が確定したものとしては扱われていません。

町田市立中央図書館の回答記録でも、「ひまわりを家の庭に植えてはいけない」という言い伝えが載っている本として、『日本俗信事典 動・植物編』(秋田県や徳島県三好郡などの言い伝え)と、『うわさと俗信』(高知新聞社、1997年、奈良県の一部の言い伝え)が挙げられています。同じ記録には、広辞苑、日本国語大辞典、『民俗と植物』など別の11冊にはこの言い伝えの記載がなかったことも書かれています(このうち『故事俗信ことわざ大辞典』には、ひまわりについての別の故事・俗信の記載があるという注記が付いています)。

以上のとおり、今回確認できたのは「地域によってそうした言い伝えが記録されている」ことまでです。いつ、どこで生まれたのかや、それぞれの地域でなぜ忌まれたのかを確かめられる資料は、今回の出典の範囲では見つかりませんでした。

庭植えで知っておきたいひまわりの特性(大田区)

東京都大田区の花づくりマニュアル「ヒマワリ」には、次のことが書かれています。

  • 科名はキク科、分類は一年草。原産地はアメリカ中西部で、日本には江戸時代に渡来した
  • 品種は、1.5~3m以上になる高性種、60~70㎝の矮性(わいせい)種、30~50㎝ほどで花を咲かせる極矮性(ごくわいせい)種に大別される
  • 十分に日が当たる場所でないと元気に育たないため、日当たりのよい場所にタネをまく
  • 発芽適温は20~25℃で、まきどきは4~6月。基本的には移植を嫌うので直まきする
  • 高性種は、つぼみを持つころになると重みで倒れ掛かることがあり、その場合は支柱を添え、株元に土寄せをする
  • タネを採取するのは、花が下向きにうなだれ、花びらが枯れて種子が褐色になったころ。茎ごと切り取って、日陰でよく乾燥させる

つまり、庭に植える場合は品種によって背丈がかなり違い、日当たりと支え方に気を配ることが、この資料に書かれている範囲の育て方です。このマニュアルには、庭に植えてはいけないという記述も、連作や後片付けについての記述もありません。

今回の出典で確認できなかった点

  • 言い伝えが生まれた時期と、それぞれの地域で忌まれた理由
  • 「ひまわり」を「火回り」とする語呂合わせの説が、実際に各地で語られていたかどうか(上の記録では「であろうか」という推量の形で書かれています)
  • ひまわりの連作障害、茎の太さや枯れた後の片付けの手間、他の植物への影響

これらについては、公的な資料などで裏付けを確認できなかったため、この記事では扱っていません。

参考にした資料

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